2019年1月26日土曜日

雷神の筒

尾張の一守護時代から石山本願寺攻めまでの物語。
主人公と信長以外にも魅力的な人物が多数登場してくるけれど、今一つ彼らの特徴が伝わって来ず、輝きが薄い。
特にそれを感じたのが雑賀孫市と王直。

司馬遼太郎の作品に「十一番目の志士」があり、主人公は架空の人物、天堂晋助。
彼が幕末の至る所に登場し、主要な人物と関わっていく物語。
これが幕末オタクの私にはあまり面白く感じなかった。
なんでだろう?と原因を考えてみたとき、あまりに多くのものやひとを盛り込んでいくと印象が薄くなるんではないか、と感じたことを思い出した。

山本兼一は既に鬼籍に入られている。
だから、天国にいる山本先生に伝えたい。

いっそのこと短編にしよう。
舞台設定は信長が尾張の派遣争いを繰り広げている頃。
橋本一巴がどのようにして鉄砲の価値を見出し、信長に説いて、戦で試行錯誤を繰り返す。
技術者と殿様の命に対する考え方や価値の相違点について炙り出す。
新しい技術にのめりこんでいく橋本一巴
新しい武器により制覇への思いを強くしていく信長
その対比を語ってくれたらなあ。

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