映画化もされ、大ヒットしました。
もちろん当時は公開直後にいそいそと鑑賞したことを覚えています。
表紙には武将が携帯電話を耳にしながら通話していたり、新聞紙を脇に置いている姿。
この表紙を見たとき
「現代にタイムワープしてきた秀吉や勝家たちが情報端末を駆使しながら信長の後継者争いを繰り広げる」小説だと思いました。
が。そんなことはなく、そのままの時代で「保守派の勝家」VS「タカ派の秀吉」の図式。
口語体の文体で「現代語訳」と謳うなじみ深い言葉遣いのおかげでサクサクと読み進められる。
それだけに、ところどころに読み取れるお市の方の恨み節が強烈。
後世のわたしたちは秀吉が勝家を賤ヶ岳の戦で秀吉が勝者となり、栄華を究めていくことを知っている。
しかし、秀吉が三法師を担ぎ出して覇道への布石を打った清須会議の意義はこれまでの多くの小説ではスルーするか、紹介程度にしか書かれていない。
この小説では丹羽長秀が主役的位置づけだと読んだ。
こういう二番手、三番手の人物にスポットライトを当てて大河の主役の人物のどす黒さを紡ぎだす、三谷幸喜の手腕や恐るべし。
出だしの信長の自害でニヤッとさせらられ
序盤でのドタバタ劇で引き込まれ
中盤のイノシシのコメントに呵々大笑させられ
終盤の勝家の独白に涙させられ
映画と小説は別の作品と思ったほうがいい。
あなたがどちらを先に目にするにせよ。
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