2019年1月21日月曜日

ユージニア

わたしの初「恩田陸」作品です。
奇しくも同じころ、松本清張の「日本の黒い霧」を読み、「帝銀事件」の概要を知ったばかりだった。
そのおかげでこの物語の骨格をなす一家殺人事件のくだりをすんなりと読むことができた
(こんな事件をスルっと読めるのはどうかと思うが)

「ユージニア」ってのは「ユートピア」と「何か」を掛け合わせた造語なんだろうがその「何か」がわからない。
作者だってなんとなく言葉の響きだけで決めているだけなのかもしれないけれど。
推理小説と呼ぶには結末で明確な犯行者を示すことがないし。
ファンタジー小説と呼ぶには犯行の描き方が事件ルポみたいだし。
とても不思議な感覚に陥る小説でした。

<勝手な推理>
犯行者の孤独な青年の意識に母親が滑り込み、そこに娘の意識が呼応した
というのがわたしの見立てです。

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