清張フェスティバル第3弾。笑
18年はよく清張の作品を読みふけったなあ。
この作品が18年最後に読んだ本。
18年の大河ドラマは「西郷どん」、それに因んだ作品を読みたかった。
司馬遼太郎の「翔ぶが如く」の読み返しでもいいし、海音寺潮五郎でもいいかなと。
その矢先にこの本を見つけてしまった。
当初の目的は大河で書かれていた奄美大島への遠島時代のことを突っ込んだ内容で書かれた本だったんだが。
この西郷札(”さつ”)、西郷さんは全く登場して来ない。
「なんだ、ちょっとがっかり」と思いながら読み進めていくと。
一回目ではわからかったが、読み返してみてよく理解できた。
なんなの、これ。「最後の策」ってどう考えても...。やるっきゃない!だよなあ。
ひとを陥れるようなことしちゃいかんな、と自省もするし、往時にその経験がある身としては物悲しい物語。
「くるま宿」、爽快な作品。
このような人生を歩めたらどんなに誇り高い人生だろう。
清貧とはこういうこと。
「梟示抄」、江藤新平のドキュメント。
四国の山や川をさまよい歩く逃避行が生々しい。
「しゅしゅう吟」(しゅう、”口へんに秋”)
肥前佐賀藩のとある足軽に生まれたばかりに人生が狂った男の物語
語弊があるな、足軽に生まれたからではなく、その出自にひがんで太陽の下を歩もうとしなかった男。
「戦国権謀」本田正純の物語。家康の盟友、正信の息子の末路
本多家っていつの間にか消えているなあと思っていたけれど、ひとを陥れるような輩はいつかその報いを受けるということか。
「恋情」「噂始末」
この二編、読んでいてやるせなかった。
主人公には何の罪はおろか否はないのに...。
西郷さんのことを知りたいと思って手に取った本なのに、戦国や幕末の歴史知識が増えた。
加えて、切なさと愛しさと心強さも(篠原涼子には「白梅の香」に出てくる謎の女を演じてもらいたい)
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