以前に読んだときも感じた、この巻は難しい
特に田邊の湛僧が平家から源氏に鞍替えするに至るまでのところが何度も読んでみても「?」がつく。
文章ではなく、映像で見れば随分と分かるんだろうけれど。
平大納言こと平時忠の印象が大きく方向転換する。
「平家にあらずんば人にあらず」の言は時忠の口から出たものだという説もあり、時忠のイメージはダーティなもののほうが強い。
しかし、この小説での時忠は年を重ねるに連れて大きく成長し、懐の深い人物になっている。
一ノ谷で敗北した平家は「死に体」で、屋島で勢いを得て、歴史は屋島の合戦でも敗北するのだけれども、仮に屋島で平家が勝利を収めることがでkたとしても時勢は源氏に傾き、いずれ平家は滅びていく運命にある。
平家の未来・将来をクールに客観的に分析して、ここで和睦をなし、かつての栄華を諦めて一族の名を残そうとしている。
【収録】
熊野の海党
鮫女のふるさと
買い占め
田辺の鯨
小王国
さくらノ局
引き綱
はだか密談
路傍の修験者
神文
紅白鶏合わせ
策と策
呉越の会
肉迫
歓喜天
船のない漁夫
船集い
那須の兄弟
先駆の人びと
第一語
非奇蹟
死中・滑稽あり
春眠
草の実仕事
大坂越え
野馬隊
やしま世帯
神ならぬ身
弧父
てんぐるま
女院のおん肌
群蝶おののく
虚相実想
総門落し
平大納言の和策
荒公達
異端の道
二日待ち
そこ退き候え
継信の死・菊王の死
麻鳥見舞
日の扇
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