一ノ谷の戦いで捕虜になった重衡の末路
そして
義経の政略結婚
この2つがこの巻の核
前者は、先の大戦で誤った(偏った)教えの下に育てられた世代(僕らの祖父らの世代)の生き残った人たちにとって「生きる」意義と「死す」意義を同時に問いかけていると感じる
後者は、昭和初期まではごく当たり前な事象であった「本人の意思の外で決められた結婚」でも幸せになれる夫婦もいるということ。
「後付けでも愛は生まれる」ということ
まぁ、これには静という存在を愛人と見るか?それとも夫人と同列に見るか?
と、読み手の意識に負うところが大きいんだろうけれど。
「本文より」のコーナー
頼朝と清盛の違いの一面
清盛は保守派、頼朝はタカ派とでも言えばいいのだろうか
清盛のやりくちは朝廷と同化し公卿勢力をも一門で左右しようとする風だった
(12巻111頁)
義経と静の関係を愛だという
このあたりの描写は男女では相違点も出てくるのだろう。
男にとって静は理想の女の存在として映るだろうし、女にとっては男の都合のいい女性の虚像だと映る人が多いのではなかろうか。
ただ、それは一夫一妻が染み込んだモラルの元に生きている現代の私たちの考えであろう。
この時代には充分に通用する考えだったのだろう。
独占欲とは別として。
静とかれとはもう単なる恋は超えていた
(12巻120頁)
人気者と有頂天という言葉について考えてみるのに適した文章
人気の怖さや軽薄さ、そして人気というもののいたずらっぽい本質などは人気の焦点に置かれた当人には得てして自省しがたいものである
(12巻126頁)
朝の吉水
法然上人
仏敵同士
中将・海道下り
小磯大磯
新柳営
石の庭
千手ノ前
酒景雨景
楚歌と虞の君
初夜ならぬ初夜
夜伽吟味
空抱きの君
絵像と大姫
輿の通い日
返り帰りの大納言
裂かるる生木
怨敵受取り
ゆかりの人びと
般若寺斬り
叙勲
びっこの公卿
一日任官
駒化粧
おだまきの歌
得意と失意
押しつけ妻
鼓の家
鳴らない鼓
正妻
よくまわる舌
初霜
ひとまず無事
政子と幕府
雪中双艶
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