原題「Intouchables」
邦題のつけ方に好感を抱く。
フィジカル的要素が強い映画かと思わせておいて、真逆に位置づけされてしまうような作品。
日を追うごとに動員数が伸びる一方で、映画サイトのニュースでは満員になることも珍しくないとの報もあるほど。
突き詰めて言ってしまえば「障がい者と介護者の物語」
ただ、それだけのことである。
だが、実に小気味よい。
音楽もそう、ユーモア(ちょっと毒気が強いけど)もそう、色気もそう。
実話だという。
でも、私にとっては実話でもフィクションでもどちらでもいい。
人間と人間の関わり合いが薄くなっている時代
上司は隣に座る部下にメールで指示を出す。
部署と部署の連携は隣の席でもメールで行われる。
Facebookを始めとしてSNSで繋がることで安心する人々が多くなりつつある。
ITのほうが効率がいいというのはある一面正しい。
だけど、この映画を観て、メールでのコミュニケーションは成り立たない、ITを駆使することが効率化に繋がるなんてことは妄念だと思い始めている。
人は、目と目と合わせながら話をしないと本当の思いは伝えられない、伝わっていかない。
障がい者が求めているものは何か?それは会話をしなければ通じ合えない。
スマートフォンやタブレットのアプリがどんなに進化しようが、「目は口ほどに物を言う」という諺が示すように。
介護者(ドリス)が玄人ではなく、素人だからこそ、障がい者(フィリップ)は心と心が触れ合う会話が実現した、それはどんなに行き届いたプロフェッショナルの実務としての介護よりも心地よかったのだろう。
また、障がい者に対して障がいの事実を突きつけることはタブー視されがちだが、そこを避けずに障がいの事実について健常者も向き合っていくことも大切なこと。
公平ってそういうことだと感じた。
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