2013年4月1日月曜日

ローマ人の物語 4 ハンニバル戦記[中]


当時の文明水準からすれば、およそ想像することすら難しい
地図もない
通信機器は全くない
行動心理学なんてものも体系的なものはない。
そんな中でかほどまでに巧妙に戦略的に練られた戦術で攻め込んでいったのかと思えば舌を巻くより他にない
「よくもまあ」、これが率直な感想だ。

塩野七生、ハンニバルに肩入れしすぎなんかじゃないか?と考えてしまうほど、礼賛してらっしゃる。
でも。
作家稼業をしていれば、歴史上の人物と時空を超えて会話することができるのだろうし、彼女はハンニバルと会話をしたのだろう。
その結果を文章にし、折りに触れて図解を交えながら説明してくれる。

つまるところ、127頁の言葉に集約される。
名言。
名言だし、その分野に長けている人と別の分野に長けている人が巡り合い、共に同じ目標・目的に向かって活動することが
思いもよらない奇跡を生み出していくのだろう。

・心に留めた言葉たち
責任の追及とは、客観的で誰でも納得させうる基準を、なかなか持てないもの(P73)

天才とは、その人にだけ見える新事実を見ることのできるひとではない。
誰もが見ていながらも重要性に気づかなかった旧事実に気づく人のことである(P127)


いかに巧妙に考案された戦略戦術でも、それを実施する人間の性格に合っていなければ成功には結びつかない。(P130)







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