2013年4月28日日曜日

ライジング・ドラゴン

やってみたい
けど、ホントにやったら失神すると思う
ジャッキー・チェンの映画は、中学生の頃に大流行したカンフーものを、テレビの月曜洋画劇場(TBS系、荻昌弘が解説していた)で視聴して、翌日にはカンフーの真似事を休憩時間の教室や廊下、放課後の体育館などで「アチョー」とかしていたことと直結する。
蛇拳、酔拳、笑拳が筆頭に思い出されるタイトル。

80年代以降のジャッキーの作品を意図的に視聴したことは皆無といって差し支えない。
90年代以降のポリスストーリーや、ハリウッド進出したラッシュアワーなど、タイトルはぼんやりと知っているけれど、観たいと強烈に感じることはなかった。

そう。例えば今月曜ロードショーで90年代以降のジャッキー作品が放映されたとしても食い入るように観ることはない。
私にとってジャッキー・チェンとは中学生時代の成長過程で忘却の彼方に押しやったスターに過ぎない。

今回、鑑賞に赴いたのは連れがジャッキーのファンだということと、今作をもってジャッキーがアクションものからは引退を表明したからという2つの理由による。
しかも鑑賞に赴いたのは吹替版、なんでも吹替の石丸博也さんはジャッキー公認だとのことで、連れは字幕版も吹替版も鑑賞したいという「つわもの」
さすがにそこまでは付き合えない.....よね。
時間帯がちょうどよかったというだけの理由で吹替版を鑑賞した次第。

驚いたのは、「劇場はガラガラなんだろうに」と、高をくくっていた私の浅はかな予想を裏切り、結構な人数が劇場にいたことである。
私の右隣に座っていた男性(20歳台か?)独り
前方に座しているのは(私たちと同じような)男女連れ
老若男女、様々な形態で鑑賞に来ていることに驚いた。
ジャッキー・チェンとドリフターズの笑いのエッセンスは同じなんだろうな。
単なるアクションスターでない。私がそう感じるのは彼が見せる「驚き」の表情に観ることができる。
彼の驚きは、クスリと笑ってしまうのだ。とても平和な気持ちで。とても懐かしい気持ちで。

さて。
ストーリーは、チンプンカンプンだった。
なんかよく分からなかった、けれど、いいんだいいんだ。
ジャッキーは善良なヤツで、悪だくみをしている商人を懲らしめる。それだけ(笑)
中学生の頃に観たジャッキーが演じる役どころとさして変わっていない

冒頭からの全身をローラーブレイドに装着してのトレジャーを盗み出し、逃亡を完遂するまでのハラハラドキドキは、40歳台の私をティーンネイジの頃の私にタイムトリップに誘ってくれた。
中盤でのジャングルでのドタバタ劇は、ドリフターズのコメディと通じるもの、家族で観てゲラゲラと笑える
クライマックスのスカイダイビングは、かっこよかったけれど、あまり印象に残っていない。


劇場のPOPで、彼がこれまで怪我してきた部位と歴史(作品)を知ることができた。劇中の場面場面で気づく、彼の体が丸まってきている(老いていること)
還暦を迎えるジャッキーの体、30年前にブラウン管の向こうで観ていたスリムで若々しいジャッキーとは程遠い。
それでも尚彼はアクション映画を主戦場にし、撮り続け、演じ続けてきたことに謝意を感じないわけにはいかなかった。

時が下って、この先20年もすればジャッキーを観て育った世代が、幾つかのジャッキー作品をリメイクしていることだろう。
そしてそのときにジャッキー・チェンはあの愛くるしいほどの笑顔を見せながら老師匠の役どころで出演しているのではなかろうか。
わけもなく、そんな空想をしてしまう。


0 件のコメント:

コメントを投稿