2013年5月10日金曜日

私のグランパ

筒井康隆もの、連チャン。
「銀齢の果て」とは真逆の方向のこの作品を手に取ったのは、銀齢の描写が生々しく、辟易する面があったから。
サーロインステーキを食べた翌日にはあっさりとしたざるそばを食べたくなるのと同じ。

5~6年前にNHK-BSでオンエアされた映画を観た。
手元にあるカバーはその映画のときのカバーで、右側の画像とは異なる。
グランパが菅原文太で孫娘が石原さとみ。
期待を薄くして観ていたのだが、両人の演技がピタリとハマっていて、チャンネルを変えることなく観賞した。
その他のキャスティングが全く記憶にないから、よほどこの2人の演技に心を奪われたんだなぁ、と。
あれから、菅原文太は俳優を引退すると言ってしまったし、石原さとみは少女から蝶のように「大人の女性」になっている(インシテミルのときの彼女のあんよは、あんよフェチの私を魅了したのだ)

本の内容と映画の内容はほぼ同じの様子(映画の内容をWikipediaで調べた)
厚さはさほどでもなく、スラスラと読める。
ジュブナイルものというものの定義が明確に定まっているようではないので、なんとも言い兼ねるけれど、性に目覚めた頃、社会との関係を模索する頃、大人の世界を垣間見たい頃、そんな世代が読めば、色々と気づきもあることだろう。
核家族が当たり前の現代では、おじいちゃん、おばあちゃんと同居しているほうが珍しいし、おじいちゃんの生き様を目の前で見ることが出来た珠子は幸せだ。

グランパはある日突然やってきて、ある日突然いなくなってしまう。
そのあたりが、現実離れしているのだけれど、この本はファンタジーものだと私は考えているから、寧ろこういうありえないグランパの設定がとても心地よかった。


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