2012年1月22日日曜日

秀吉の枷(下)

この本を手に取るあなたへ

後継者不足と内助の功が得られないトップの末路を知りたければ。


晩年の秀吉の解釈として「これはこれであり」だと思う。
.....というか、晩年の秀吉の具体的な有様は読みたくもないし、知りたくもないという気持ちが強い。
木下藤吉郎時代の彼と豊臣秀吉時代の彼が同じ人物だとはどうしても思えない。
権力というものはこれほど人を変えてしまうものなのか?
そもそも秀吉に天下取りを奨めた竹中半兵衛、もし彼が存命していたら晩年の秀吉を見たら、どんな気持ちがするのだろう

かつての部下前野将右衛門が権力者秀吉の過去を懐かしみながら果てていくくだりが印象に深く残る。
この巻のクライマックスはここだと思う。

夢のまた夢が死の床以前から秀吉の脳裏をかすめている展開に、「あ、そうかもな」と思った。

全体を通して暗い話が多くて、自分自身の生気を吸い取られていくような気持ちがする。
権力者にはならないほうが賢明なようだ。

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