2012年7月21日土曜日

崖っぷちの男


原題「MAN ON A LEDGE」

素晴らしく面白いわけではない。クソっとつぶやくほどつまらないわけでもない。
サム・ワーシントン、アバターでの成功がアダになっているのかなぁ、スターと呼ぶには風格が滲み出てこない。
序盤は特に眠たい展開が続いたし、実のところ10~15分は眠っていた。
だが眠っていてもノープロブレムだったかもしれん
と、いうのも。
人物像の掘り下げ方が甘い。
誰も彼もが中途半端だと感じる(←「寝てたお前が言うな」って声を無視)
ニックが自殺するわけじゃないことはすぐに分かるんだから、「じゃぁ、今からどんなことが起きるのだろう」スリリングな場面を設ければ、かなり面白くすることができる。
スリルは別にニックに限定せずとも、女性交渉人が失敗してしまった過去の事件でもいいし、エド・ハリス扮する悪徳実業家の周囲で何か一つ彼が悪徳ぶりを遺憾なく発揮するような事柄とか。
スリルが欠落しているから眠たさを増長している。
本当に序盤に一つの山場をドン!と打ち上げていれば、印象はもっと上昇可能。

中盤に入る頃になり、弟と恋人が向かいのビルでやろうとすることは理解できるけど、そのスキルが不明
恋人の色気は男性客にはありがたいサービス。
彼女のショッキングピンクなランジェリー姿がGOOD!!
でもね。
それよりも盗みのテクニックとか美学のシーンが欲しかった
ルパン三世でも峰不二子の色気は、ルパンたちの美学があればこそ映えるのだから。

女性交渉人、ニックとの交渉を深めていくことで彼女の中に芽生える感状やシンパシーが盛り込まれていない
この映画のもうひとりの主人公だからこの事件を経て彼女の成長や心の回復に触れられていないのも寂しい

序盤に眠ってしまっても、後半にニックたちが追いかけている目的の「もの」がないことが分かってからの展開の頃にようやく目が覚めてもいいかもしれない。

ドキュメンタリーを舞台としてきた監督さんだという。
そんなキャリアの持ち主なだけに群衆の動きが変化していく姿がうまく表現できてないと監督自身も不本意なんじゃないかな
女性レポーターもしかり、最後にニックに手助けをする群衆の一人もしかり。
ニックが群集の集団心理を操作していく過程が表現できれば、と残念に感じる。

エド・ハリスが老けてしまっていた。
もともと皺の深い人ではあるのだけれど、登場したときに「あ、おじいちゃんになってしまった」と感じた。
ね、製作会社の皆さん!!もうちょっと過激な役どころ演じさせて若返らせなきゃ!!






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