2014年4月4日金曜日

鬼平犯科帳(4)

数年ぶりに読み返し、更にまた読み返してしまったほど、のめり込んでしまった篇が多い。
これ以降の鬼平ワールドに必要不可欠な人物たちが続々と登場してくることを当時の池波正太郎になったつもりで分析してみると、この頃の池波正太郎の頭脳には鬼平と相対する盗賊どもよりも味方となる人物たちの背景や心もようが夏の入道雲のようにいくらでも膨らんでいったのだろう。

・霧の七郎
人は見かけで判断してはいけない

・五年目の客
思い込みや勘違いによって人生は転がっていく

・密通
上に立つ者ほど、恥を知らねばならない

・血闘
おまさ初登場(?)
この篇ではとてつもない凌辱が加えられているストーリーでありながら、全くエロ・グロといったエッセンスが削ぎ落されている。
池波正太郎の小説は文章だけでありながら、とてつもない色気・エロティシズムが滲み出てくるのに。
冒頭からクライマックスのような緊迫感が綴られているからなのだろう。

・あばたの新助
美人局によって人生が狂ってしまう男の物語
新助に残っていた最後の良心が素敵だと感じている

・おみね徳次郎
結びでの男女の描写が秀逸だと感じる
男は惚れた女と離れると、あっという間に弱ってしまう生き物だ(我が身を振り返ってもそうだと思う)
女は惚れた男と離れてもしたたかに生きていける

・敵
五郎蔵の登場
読者も五郎蔵と同じく、何が何だか分からない状況だから読み解いていくのでドキドキする

・夜鷹殺し
人のこころの底には何がひそんでいるか知れたものではない。

そして、夜鷹とて人ではないかと叫ぶその人柄に尊敬の念を抱く。
現代でも、春を鬻ぐような女性にお世話になりながら、心のあちこちで蔑視している自分を見透かされているようで、心が痛む台詞だ。



0 件のコメント:

コメントを投稿