2013年9月17日火曜日

ワールド・ウォーZ

原題「World War Z」
勘違い、その1
この壁をよじ登っているのは人⇒×
実はゾンビでした



半年近く、映画鑑賞に赴けば2回に1回ぐらいの確率でこの映画の予告を目にしていた。
主人公の車のバックミラーを警官が破壊し、ドアを出て文句を言おうとする傍から別の警官が...というシーン
そして大量の人びとがとてつもなく高い壁を超えようとしていていくシーン
この2つのシーンは印象に強く残っていたし、その2つのシーンと「ワールド・ウォーZ」というタイトルから、これはとてつもないSFスペクタル大作にちげーねー。インディペンデンスデイ以上のとんでもなエイリアンが来襲してきて、ブラッド・ピット扮する主人公が徒手空拳状態から遂には世界を救うことになるんだろう、と。

どうです?大枠は外していないでしょう?
勘違い、その2
この虚ろな目をしているのは主人公の家族⇒×
主人公が出会った兵士でした
倒すべき相手が、エイリアンでなく、それがゾンビ(zombie)であることを除けば。
何せ「Z」だもん、アルファベット最後の文字ですよ。
そこから推測するものは人類最終戦争と解釈してしまう人が大部分だと思う。
人類が戦う相手は「人類」か「異星人」だというのが映画のド定番ではなかろうか?

だから、「Z」=ゾンビと聞いたとき、心のどこかで「ぷしゅーーー」と楽しみにしていた気分から空気が抜けていった。
…。だって、ゾンビ映画って、ねえ。ほら。ビミョーでしょ?(同意を求める私)
ああ、もう、この作品、どうしようかなぁ、やめとこうかなぁ...と、ウダウダ悩んでいる間に、およそ3週間無休で働く羽目になってしまい、いよいよこの映画の公開期間にラストのフラグが立ち始めた平日に、「えいやぁっ!!!」と鑑賞に赴いた次第。
勘違い、その3
ここが主戦場かと思った韓国⇒×
通過点に過ぎなかった

いざ、蓋を開けてみれば。
面白かった(アッサリと言い切ってしまう)
そして、思ったこと「ああ、これはゾンビを素材にして成功した作品だったなぁ」
SF映画の側面よりも、パニック映画と受け取った。
コンティジョンのような疾病ものだと、急速に拡大していくスピード感に欠けるし(現実にそうなると人類は滅亡するんだけどね)、異星人ものだと、現実性が薄まっていくし。
ゾンビという、ブードゥー教にも登場するような「実はどこかにいるんじゃないか??」なものを登場させることで、こういう事態が起きるんではなかろうか?と。

何せ、スピード感がいい。
「何が起きてるの??」と訳が分からないままに事態が進展していき、とりもなおさずその場から避難する、逃げる。
その一方で世界の至るところが冒されていく、逃げ場はどんどん狭まる。
逃げるにも何処にも逃げる場所はない…。
途方に暮れる暇も無く、とにかくこの場にいることは落命に直結するんだ、頭をフル回転させて未来を模索していくだけ。

一転し、ワクチン獲得に向けた展開は動から静へ、緊張を強いてくる。
ここで主人公が餌食になるはずはないんだけど。ド定番な展開だけど、ドキドキしながら鑑賞した次第です。

ゾンビ映画はこの作品を契機に、市民権を完全に手中にしていくんではなかろうか。







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