2012年5月22日火曜日

新・平家物語 常盤木の巻


平治の乱で敗れた源義朝
義朝には沢山の子供を遺した、中でも由良御前との間に生まれた三男頼朝
そして1000人の中から選ばれた藤原呈子の雑仕女の常盤から生まれた九男(あるいは八男の説あり)の牛若
この巻ではその常盤を中心にして進んでいく
常盤の物語とは直結しないが、西行法師が登場し無常感を説く
子供の助命の代償として清盛との情交をなした常盤を不義、不倫の女として義朝の旧家臣金王丸が常盤の命を奪おうと画策する
その金王丸と義平に対し、文覚が登場し、毀誉褒貶の中でも遺児三人の成長を願う常盤の心は強いのだと説く


清盛が常盤を愛妾としたというのは通説だと吉川英治は書く
その理由

後の鎌倉幕府たる頼朝の治下になっては、義経の生母である常盤と、清盛との関係はあんなふうに書かなければぐあいが悪かったものであろう
(164頁)

この時代の女の性欲について書かれているのが目に留まる
片や出家して孤閨を守る女性、他方で思いのまま気ままに性欲を優先して生きる女性
この時代のモラル

197
平安朝の女、以後の世代の女性もこういう想いに黒白もなく、ただ泣いていたのである。
そしてその反省に畏む女性は法華経の写経に浄化されようと努めたり、また早くに髪を切って尼姿になったりした。
また、解決の途を肉体の答えに従って奔放になってゆく女性は極端な自由を恋愛に焦きただらした。
遊女ともなり、くぐつにまで落ち路傍に卒塔婆小町のような姿をさらして、肋骨を犬や烏に食わせてしまう女もあった
(197頁)

【収録】
春の話題
裸天女
奔牛
忘られ妻
春怨
からす説法
石切人生
巡り逢う水
悪蔵と賽の目
男性四十夢多し
壬生雀

若葉わくら葉
凡情納経
歌法師
いずち昔の人行きにけん
天皇恋し給う
二代の后
白拍子町
乙女子明日香
良人讒訴
夢占

にらめっこ
海の氏神
黍と粟と稗

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