保元の乱が院と王の戦い、貴族と貴族の戦いであったのに対し、平治の乱は源平に別れて戦っている。
戦闘時間は平治の乱が短いのだが、その凄まじさは保元の乱の比ではない。
★疑問
保元の乱のとき
彼らは何歳だったのか?
清盛、池尼、重盛、むねきよ、頼朝、義朝など
悪源太義平、「悪」がつくと現代に生きる私達からすれば「悪ガキ」とか「悪党」に代表されるように、マイナスの印象が先立つが、そうではないとのこと。
言葉は時代と共に意味が変化していく。
むしろ憎悪のできない悪、かれにもあるが自分らにもあるとはっきり共感できる悪、ほんとうはとてもいい奴なのにその反対のボロを出して世間から叩かれてばかりいる悪
(二巻335頁)
平治の乱に際し、清盛が狼狽え、子の重盛が諌めたという説が根深いらしい(知らなかった)
これは後世の源氏の時代になり、書かれたからだという
歴史は勝者が敗者を書いた制裁の記録
(二巻346頁)
三巻
二院政治(源平2つの勢力)の弊害を引き合いに出すことで昭和軍部(陸軍と海軍)の統帥権の二分から来た弊害を説いている
およそ古今、地上のどこでも一国に統帥を異にする軍部が二つ存在する場合は必ず軋轢し、必ずその国の乱になる
(三巻18頁)
社会にとってももっとも厄介な存在でもあり、また慈しむべき存在が何も知らない民衆。
平治の乱で、荒れた宮殿に上がり込み殿上人ごっこをし、自らの命を軽く考える民衆。
社会にとっても為政者自体にしても一番恐るべきものはこうした無自覚な生命の群れであることはいうまでもない
(50頁)
世に有名な池禅尼による頼朝助命嘆願
これを平家滅亡の序曲とするのは、後に平家を打ち倒したのが頼朝だったから、という考えは浅いと説く
公共と私の混同をした平家の政治のありようが直結する原因だと説く
政治を血族間で私する、また、政事と家庭の混同ほどかつての藤原貴族を腐敗させたものはない。
(104頁)
これも有名な常盤御前が清盛の前に自分の母の助命嘆願に出頭するくだり
男の本性というべきか、または男が自分自身に嫌悪感を抱く感情が書かれている。
この文章は結構私自身には当てはまるので、読むときは頷きながら、しかし自己嫌悪が渦巻いた
男が美人を見る場合公式な無感情をもって臨んでも、また、同情と憐憫を抱いていても美しい女性を美しいと感じることに増減はない。
(132頁)
【収録】
商人胸暦
不知火
暗黒宮
信西・穴這入り
悪源太義平
非時香果
清盛帰る
稚気の冠
女房衣
過去・現在・未来
源氏名簿
左折れ右折れ
桜と橘
平治見物記
逆さ兜の事
雪のあと
狼
すすはらい
餓鬼国管絃楽
落伍
天意不可思議
紅梅は心まで紅い
慈悲喧嘩
胆大小心
常磐艸子
女ぐるま
続・常磐艸子
木乃葉笛
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