この巻に移り、保元の乱前夜の様子が描かれている。
この禍根の根源は二院政にある。
どこかの極東の国も現在N田総理とO沢さんが二院政しているようなもんなんじゃか、と。
二院政の弊害は何といっても命令の出所が二箇所になって統帥権が分断されてしまうことだと、吉川英治も書いておられる。
王家の周りに蔓延る権力を求道する摂政・関白らの醜い政争にうんざりもさせられるが、この時代から9世紀を経ようとしても尚、同じような現象は続いている。
そして、この現象はいつまでも続くのだろう。
この巻の読みどころは物語を詳らかにしてくれていることよりも「人間到るところに人間あり」の章で、吉川英治が書いている、仏教の興りのに尽きるように思える。
次章、いよいよ、酸鼻を極める保元の乱が始まる。
【収録】
大比叡
神輿振り
人間到るところに人間あり
蛍
あらしの前
案山子陣
一投石
石の雨
悪左府
美しき家族
野風
童女像
鞠
立后ニ花
煩悩ぐるま
霰御所
土用暦
摂政争奪
苦い菊酒
幼帝御一世
女の国
熊野巫女
釘
柳ノ水
茨
二つの門
如法闇夜
保元・地獄序曲
赤旗の下
零余子艸子
白旗の下
源太産衣
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