2015年5月6日水曜日

Focus

2015年、9作目
ウイルよりもロビーを際立たせる作品

ヤバいなあ、と思ったら案の定クライマックス手前で陥落。。。
気持ちよく寝てしまった作品。

映画も小説同様「起承転結」を求めてしまう(当たり前だけど)けれど、起から承へ展開するときには、観客を「お!」っと感じさせるシーンがあればその世界に惹きこまれるもの。

この作品には、その「お!」っと感じさせるエッセンスがあまりに弱かった。
(翻って言えばオーソドックスな作品とも言い換えられるけれど)

FOCUSと言いながら、登場人物にはFOCUSが合ってないように感じたのは僕だけではなかろうかと思う。

ブロンドのマーゴット・ロビー嬢は好みの顔しているけれど、目からほとばしる力(色気だったり狂気だったり訴えてくる力)を感じ取ることはできなかった。

このゆるーいコメディクライムアクションで判断するわけにもいかないだろうから(ウルフ・オブ・ウォールストリートは未見なので。。。)次の作品での目力に期待。

ウイル・スミスは、うーん。今のままでは旬を通り越したタケノコみたいになっちゃうよなあ。

2015年4月25日土曜日

龍三と七人の子分たち

言われなければ、藤竜也だと気づかない
2015年、8作目

自分自身は結構な懐古主義者だと思う。
生まれ育った時代のアナログさが古き良き時代だなあと。
この映画、小学校の頃に毎週楽しみだった「8時だよ、全員集合!」のノリがあり、中学の頃に欠かさず見ていた「オレたちひょうきん族」のゲラゲラ笑いができる。
(中尾彬には大爆笑すること請け合う)

じじいたちを主人公に持ってくることが「アウトレイジ」のような凶暴さを削ぎ、凶暴な顔したじじいたちが本気でコメディやってるから真剣に笑える。
3と5!!
笑いの舞台ではない俳優さんたちがこんなに頑張っているのに、最近の若いお笑い芸人さんたちの芸不達者ぶりを嘆く(これも懐古主義者か!)

弱きものからは金を取らずにいるどころかお恵みを分け与える龍三親分と若頭マサの喧嘩のシーンに代表されるように、このじじいたちには「潔さ」がある、それがかっこいい。



白髪頭ばかりのじじいたちが組を立ち上げる
21世紀チンピラをその対比として登場させていることで、「潔さ」って何だろうね?と北野武が問いかけている作品だと感じた。

2015年3月22日日曜日

ローマ人の物語〈10〉ユリウス・カエサル ルビコン以前(下)

虚栄心と野心の違いを簡潔明瞭に現している文が面白い。(177頁)
前巻での図説がストンと入ってくる。
 ルビコン川を渡るとき、「賽は投げられた」の言葉の重みがようやく分かってきた。

2015年3月15日日曜日

ローマ人の物語〈9〉ユリウス・カエサル ルビコン以前(中)

2015年、8冊目
ライン河を挟んで東のゲルマン人が西のガリアへ移住。
属州を保護しなければローマの平和を維持できない。
隣接する国家、部族にすれば対抗心、敵愾心が芽生えざるを得ない。
能動的な拡大の意欲がなくても、受動的に拡大をせざるを得ない 。
ベルガエ人とローマの衝突はその二つの必然による。

イギリスは、その昔ブリタニアっていう田舎なんですよお、とクスクス笑いながら塩野さんは書いてるな(ブリタニア侵攻のくだり)

現代のヨーロッパというものがだんだん形になっている。

2015年3月2日月曜日

ローマ人の物語〈8〉ユリウス・カエサル ルビコン以前(上)

2015年、7冊目
カエサルの境遇と源義経の境遇は似てるなあと思う。
軍事的才能は恐らく二人とも備わっていたんだろう。
二人の違いはカエサルは青年期、義経は幼少期に政争に巻き込まれてしまったこと。
幼少期、しかも父の不在が義経の政治力欠落に繋がり、カエサルは青年期まで父がいて、身につけることができた。
出自の違い(カエサルは貴族、義経は武家)もあるにはあるんだろうけど。
それから母の違いかな、静御前はアウレリアには遠く及ばない。

2015年2月12日木曜日

本所深川ふしぎ草紙

2015年、6冊目 およそ8年ぶりの再読。
実は、年始に娘に貸していたものを返却されて手に取ってしまったのがきっかけなんですが。
 第一話の「片葉の芦」がいいです。
女ってのは忘れていく生き物だと池波正太郎がよく書いてますけれど、この篇もそれがミソ。...
翻って言えば男ってそれだけ想いが残っている生き物なんです。
 思い出の品物を捨てられないのは男のほうが多いと言いますしね(笑)

2015年2月11日水曜日

ゴーン・ガール

原題「GONE GIRL」

2015年、4作目
この予告見たときに
Bアフレックが絶対DV夫
なんだと推測していたのだが...
フィンチャーの作品は毎回序盤に寝てしまう(今作もそう)
それにも関わらず充分に楽しめた(いや、怖かった)
話の落としどころが「ここ」でもなく「そこ」でもなく。「うひゃー」と相次ぐ展開の後半1時間だった。

富豪の同級生、、、哀れ過ぎます(ああなると分かってたけどさぁ)

妻を演じたロザムンド・パイクのきりりとした眉毛がいい。
(作風と相まってなんか主張してる感じがする)

ベン・アフレック、DV夫とか、脅されてしまう、いわゆるダメ「夫」として彼のキャスティングは適役。

フィンチャーよ、もうちょっと序盤をテンポよく造っておくれ!

2015年2月9日月曜日

幻色江戸ごよみ

2015年、5冊目
およそ6年ぶりに読み返す
「神無月」の緊迫感が心に響く。
 岡っ引きをダニエル・ブリューレ("ラッシュ"のニキ・ラウダ)
 畳屋マイケル・ファスペンダー(”プロメテウス”の美形男子)
親父をアンソニー・ホプキンス
洋画にて製作中(但し私の頭の中限定公開)

2015年2月5日木曜日

夢の燈影

2004年の大河ドラマ「新選組!」と、シンクロする。
 よく調べて書いてるよなあ、と、唸りながら読み進めた。
脇役たちの物語を通じて近藤、土方らの実像を浮き上がらせようとしている。
ミステリー仕掛けの篇もあり、「夢告げ」「流れ木」は面白い。
 保守的な思想の集団だとは後世の僕らは偉そうに言えるけど、この時代に生きたひとの覚悟を想像できる作品だ。

2015年1月31日土曜日

ホビット 決戦のゆくえ




原題「THE HOBBIT: THE BATTLE OF THE FIVE ARMIES」

2015年、3作目
劇場公開最終週になんとかギリギリで滑り込み鑑賞。

オーランド・ブルームよりも
ルーク・エバンスのほうに
オーラを感じる
エルフや、ドワーフ、ホビット、人間と種族間での戦い。
現代の地球のあちこちで起こっている戦争も同じく部族間(宗教事情もあるけれど)だよなあ、と。

トールキンの原作よりも初期の頃のファイナルファンタジー(ゴブリンとかミスリルとか)で馴染み深い。

わけもわからんと3部作全部鑑賞したけど、やっぱりよく分からんかった。
(ガイド本とかで予習しておくといいんだろう)
だけど、大変丁寧に製作されているなあ。


ベネディクト・カンバーバッチ
(舌噛みそうな名)が声を務めた
ドラゴン!
ファイナルファンタジーの
ドラゴンが吹く炎って感じで
気分が盛り上がった
死にゆく恋するものに向かって
「どうしてこんなに悲しいのかしら」
「本気で愛していたからだ」
と、いうのが期せずして心に響いた。
そこ?と言うあなた!
はい、鑑賞ポイントがよくわからないまま観ると、シンプルな愛情表現が一番伝わります。
PART2でのどんぶらこどんぶらこー、の樽のような(ドリフのコントのような)笑えるシーンがなかったのが残念。
ま、最終章だからシリアスにならざるをえないんだろうけどね。

時をかける少女

「ラベンダー」という単語を聞くと「時をかける少女」と答える同世代は多いだろう、僕はそうだ。 
ドラッグストアで芳香剤なんぞ「ラベンダーの香り」と表示されていると、自動的に「時をかける少女」と脳内変換する。 
それほどまでに原田知世主演の映画CMは強烈に頭に残っている。 
恥ずかしいけれど、少女向けのこの作品をようやく読みました。 
映画は1983年くらいじゃなかったかな?(当時中三でした) 
時を「超える」じゃなくて、ひらがなで「かける」
クライマックス、ほろほろとしてしまいました。(この年で!)

2015年1月28日水曜日

カイジ 人生逆転ゲーム

2015年、2本目


苦痛に歪む竜也クン
いいわ。
ずっと前にテレビ録画していたものを視聴
(2年くらい前かな?)

つまるところ、信じるに値するものは自分自身のみ。

莫大なお金なんて焦がれているくらいがちょうどよくて、持たざる者のほうが幸せというもの。

この手合い(マンガやライトノベル原作もの)の邦画はテレビ録画でもいいかな、と思う。
見よ、この捨てられた子犬のような
目をしたたっちゃんを!(笑)

2004年大河ドラマ「新選組!」の
沖田総司以来ずっとひいきに
している役者さん
スクリーンで映える顔をした役者が少ないよなあ。
藤原竜也も香川照之も芸達者ですけれどね。



2015年1月24日土曜日

96時間 レクイエム

原題「TAKEN 3」
2015年、1本目がこれ。
前作の超能力は今作では見られなかった


前作では、ユリゲラー、ミスターマリックも真っ青の超能力者だったミルズが、普通に戻った。
とはいえ、充分に超人やけどね。


シナリオ、脚本はかなーりぐちゃぐちゃ。笑
これで完結なんかなあ。


愛娘のためなら命を放り出す度量の持ち主
それがブライアン・ミルズ
ある意味、迷惑なオトーサンでもある

次は孫のために一念発起するんやないかなあ!(^^)





F・ウィテカー登場!
存在意義の薄い役にも関わらず
意味深な目つきをありがとう!

2015年1月3日土曜日

おそろし 三島屋変調百物語事始

越年して読破 
ひとの話を「聴く」ことの辛さに感じ入る。 
他者の過去を聴くこで、話し手が消化して昇華させられるといいなあ、と、思った。
後半になればなるほど、ぐいぐいと引きつけられる宮部ワールドには至ってないかな、というのも付け加えておく。