下巻の裏主人公はミトリダテス王(笑)
きっと大半の人が同意してくれるだろう。
なにしろしつこい。とにかくしつこい。
ミトリダテス王のしつこさから翻って考えられることは、この時代のローマにはつけこめるだけの隙があったのだろうし、近隣諸国に反感を抱かせてしまうような政策も進めていたんだろう、ということ。
ま、もっともミトリダテス王が嫉妬深い専制君主だったんだろう、という推測だってあるんだけれどね。
スッラ
生存中に必死に現体制を維持し続けた男
死してすぐに築き上げたシステムが自身の後継者たちによって葬り去られていくことを、彼は頭の片隅で予測していたような気がする。
予測は当たることになるだろうと思いながらそれでもなお、保守的体制が続く可能性を信じて非情な振る舞い、政策を打ち続けていたんだではないか、と感じている。
私自身はかなりな保守的思考の人間なので、スッラの採った政策には頓首してしまうのだけれど。
塩野七生さんが書いてきたこれまでの「ローマ人の物語」を読んで、【時代は常に変革していき、その時代によって古いものは新しいものに取って変わっていく】ということを学んでしまったので、このスッラの政策のフォロワーではいられないもう1人の自分が芽生えている。
もう一人の自分がスッラと同じ時代に生きていたら、きっと粛清されることになるんだろうけど。
ポンペイウス
エリート中のエリート、そんな感じです。
それ以外にこれといったイメージが湧いて来ない。
この人の感想は8巻以降にもっと具体的に抱くことになるのかな。
奴隷のこと
この本を読んでいて目からウロコなのが、奴隷の扱い方が漫画や映画で観ていたものとは全く異なるということ。
労働を強いられ、自由を奪われている存在だとばかり思っていたのだが、彼ら彼女らにもある程度の自由があり、場合によっては立身出世への可能性も生まれていることに、とても驚いた。
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