2012年6月10日日曜日

シュガータイム

 「Sugartime」
初出は「SOMEDAY」

フッと、この曲が脳内再生された。

「SOMEDAY」は今年発売30周年だと、佐野さんは6月1週目のMRSで振り返っていた。
昨年(2011年)30周年記念LIVEをしたばかり、1年ほど辻褄が合わないのだが、そういう細かなことにこだわらない大らかな佐野元春に改めて謝意を表明する。
或いは佐野さん、あまり年数の勘定ができないのかもしれないのだが。
まぁ、いいんです。詩人に年月の勘定はさほど重要ではないのだから(笑)

佐野元春フリークとして知られている作家小川洋子さんはこの曲への愛着が高じて同じ題名の小説を執筆おられる(未読)

10年前(2002年のこと)に「SOMEDAY」発売20周年記念盤がCDショップのポスターで告知されていたのが昨日のように感じる。

とはいえ、この曲に出会ったのは「No Damage」、84年の頃か。
今、改めて「NO DAMAGE」を聴き直している。
古びた家で新しいステレオコンポでカセットテープで聴いていたことを思い出す。
B面の「アンジェリーナ」から「彼女はデリケート」までは心地よく聴いていたことを思い出す。
スピーカーを通しても聞いたし、夜はヘッドフォン越しに聴いたことも思い出す。
POPなメロディ、84年、最初に聴き始めた頃は単純にPOPな曲に過ぎなかった。
もうあの頃の瑞々しい感覚を僕は100%取り戻すことはできない。
喪失したがゆえの悲哀。
そして
喪失したがゆえに取得する喜び。

「Sugartime」の詩は、とても深い。

そばにそっといるだけで
永遠の恋を感じてる
そうであれば、次に続くのは
Baby,I Feel Your Love
でいい。
なのに、佐野元春は
Baby,I Need Your Love
としている。
それも2回とリフレインする。(それはメロディラインとの兼ね合いかもしれないけれど)
そして
いつでも、いつもMad Love
と、結ぶ。
「いつでも」=Enytime
「いつも」=Always
敢えて英語にしてみたけれど、「いつでも」と「いつも」は言葉の持つ意図が異なる。
それほどMad Loveを希求している。
Madという単語は決してプラスのイメージではない。
「狂おしいほどの愛」とでも訳せばいいのだろう。


出だしの1コーラスだけを考察しただけで、時間が経過していく。
なぜだかとっても今の気持ち、きっと寂しい気持ちを相手にぶつけそうになっている自分をいっぱいいっぱいになりながらも制御しようとしているのだろう。
I Need Your Love
のフレーズをハミングして聴いている深夜

そんな夜も必要なのだろう。





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