2012年2月15日水曜日

エンジェル

「Angel」
初出は「The Circle」

冬の寒い日々が続くとこの曲を聴きたくなる。
ジョージ・フェイムが弾くハモンドオルガンの音が暖かい。
まるで暖炉のような役割を果たしている。


巷に溢れる数多の歌詞には、小難しい言葉を入れてみたり、馴染みの薄い横文字を入れることで成り立つ詩が存在する。
耳に馴染みのない単語を駆使することで、聞き手に「ん?」と思わせて興味を惹く戦術が昨今のトレンドのように感じている。

「エンジェル」この曲では、上記のような単語は使われていない。
小学校の間に履修してしまうような言葉ばかりで成り立っている。
それなのに、いやそれだからこそ、この歌詞の場面を想像することや歌詞の固定的な解釈は不可能。
それだからこそ、普遍的な詩であり続ける。

「何か」聞こえるだろう
「ここを」離れていく
「そこに」あるから

「」で入れた代名詞が、聞き手の経験(過去)やイマジネーション(未来)に委ねられる。
詩の書き手として、受け取る側に委ねるということは勇気のいること。
佐野元春が偉大だと感服する理由の一つだ(それもかなり大きな理由)



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