2013年6月21日金曜日

新装版 新説宮本武蔵

宮本武蔵に関する物語の初体験がこの小説になってしまった。
これで武蔵フリークになるには、まことに困難であるといわざるを得ない。

武蔵の記述を読んでいると、私が幼児だった頃に町を闊歩していた、明治生まれの頑固ジジイ達の顔がチラついてしまう。
頑固で、聞き分けが無くて、愛嬌がなくて、立身ばかり企てていて、と、そういった町のつまはじき者だった頑固ジジイ。

いずれ機会を見つけて、吉川英治の宮本武蔵を読もうと考えているのだが、その意欲を喪失してしまう。
司馬遼太郎は宮本武蔵をまことに評価していらっしゃらないのだなぁ、ということばかりを感じながら読み進めてしまうことに終始してしまい、これといった感想が浮かんでこない。
実のところこの一篇を読んで、宮本武蔵に抱く感想が具体的に浮かぶ人はそれほど多くないだろう。

武蔵の好敵手だった吉岡憲法。
この物語も、武蔵の呪縛から解き放たれず、「なんとなーく」といった漠然とした感想しか残っていない。

幕末前夜に生まれ、幕末の主流になった北辰一刀流の祖千葉周作の物語
この物語は長編北斗の人(未読)なので、まずまず面白かった。

幕末の会津戦争に於いて親子で華麗な死を遂げて、板垣退助が惜しんだという森親子の物語
この親子の話は、竜馬がゆくにも登場している。
竜馬が剣術修行している際に出会うのが森要蔵と寅男の親子、「余談だが.....」と、いつもの司馬節で語れられている。

剣に生きて、剣によって人生が拓けたり、拓けなかった人びとの物語五篇



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