2019年6月9日日曜日

黒革の手帳

「けものみち」に続き松本清張フェスティバル。
こちらも米倉涼子主演でドラマ化されていた。例によってドラマは未見。
こちらの主人公の元子を米倉涼子に置き換えるのはとても容易に脳内変換できた。
強気な性格、物怖じしない態度、押し出しの強さが私が感じる米倉涼子に通じるものがあるんだろうか。
いや、きっとこのバッドエンディングが米倉涼子に相応しいと思っているんだろうな。
(わたしが彼女にあまり好意を持っていないことが自己認識できた)


わたしが手に取った原作には武井咲が和服を着たカバーがかけられている。
(古書店で贖ったしね)
この主演は武井咲にはどうだったんだろうな?
背伸びした役どころを求めた意欲作だったんじゃないかなと思う。
いや、相変わらずドラマは未見だし、彼女、アッサリ結婚して子供も産んでいるから
わたしが知っている武井咲が実像よりも幼すぎる印象が強いんだろう。

主演女優のああだこうだよりも、実は一番感じ入ったのは「銀座」という地。
今は随分と気安くなっている地でもあるんだろうえけど。
今でもこの小説と変わらず、大金が動いているであろう高級クラブも多数存在する地。
そこに渦巻く欲望と欲望の格闘の場でもあるのね。

けものみちよりもこちらのほうがエロスの要素が薄まっている分金銭欲への執着が如実に伝わってくる。
因果応報。そういってしまえば元も子もないのだけれど、元子には成功してほしかったなあと情を寄せてしまう自分がいる。

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